金沢アートグミ16周年記念企画 Potluck Theater 「劇団展示中」

劇団とは、共通の思いを持って演劇に取り組む集団ですが、各々は異なる背景や経験を持ち、さまざまな視点から物事を捉えています。なぜ彼らは、共通の目的のもとで一つの集団を成すことができるのでしょうか。今回の「劇団展示中」では、稽古風景や日々のやりとり、過去の作品を通じて、演劇という営みと、それを支える劇団という集団の一端をご覧いただけます。〈Potluck Theaterの場合の〉その一部をみなさんと共有できればと思っています。
詳細および在廊情報は、随時HPやカレンダー、SNSにて追加・更新いたします。
展示物は日々変化いたしますので、ぜひ何度でも足をお運びください。
期間
2025年4月26日(土)~7月20日(日)〈休廊日 水曜日、5月24日(土)〉
会場

金沢アートグミ
〒920-0907 石川県金沢市青草町88番地 北國銀行武蔵ヶ辻支店 3階
JR金沢駅より徒歩12分、車で4分
近江町いちば館立体駐車場3階入口よりすぐ
建物にエレベーターはございません。隣接する近江町いちば館エスカレーター又はエレベーターをご利用ください。
Tel: 076-225-7780
Mail: info@artgummi.com
展示内容
▶︎常時展示 「Ghost Light」
常時展示では、Potluck Theaterの劇空間がいつでもご覧いただけます。
稽古などをしていない時間は、ゴーストライトが常に灯されています。
【ゴーストライトとは? 劇場が空いていて真っ暗なときに、舞台上に通電したままにされる電灯のこと。】
過去作品で使用した舞台美術や小道具、また、稽古日誌や劇団の記録などを展示。稽古模様、過去作品などの映像も上映。
日々変化していく劇団の展示をお楽しみください。
タイミングによっては、Potluck Theaterの稽古や作業風景を見ることができます。
メンバー在廊のスケジュールは随時カレンダー、SNS等でお知らせいたします。
2025年4月26日(土)~7月20日(日)
・10:00〜18:00 〈休廊日 水曜日、5月24日(土)〉
・無料
▶︎公開クリエーション 「Potluck シアタースタジオ」
さまざまなテキスト(戯曲:ギリシャ悲劇から現代日本まで)を扱いながら、公開クリエーションを行います。演出家、島貴之による指導・解説を聞きながら、Potluck Theaerの演劇がどのようにして作られていくのかをご覧いただけます。
・毎週土曜日15時〜(1時間程度)
・無料
・予約不要
・5月24日(土)は原っぱ運動会参加のため休廊
▶︎公開座談会 「Potluck Theater THE談会」
Potluck Theater のYouTubeチャンネルにて公開中の座談会を公開収録いたします。
ノーカットのトークを生でお楽しみいただけます。
質問やトークテーマも募集中。→po10lucktheater@gmail.com〔件名:座談会お便り〕
※開催日時、出演ゲスト等は随時カレンダー、SNS等で情報をアップいたします。ご確認ください。
・無料
・予約不要
▶︎交歓会 「Potluck Theater Potluck Party」
劇団の語源であるPotluck Party。Potluck Theater Potluck Party〈略してPPP〉を、展示空間で開催。Drop the beat!
・開催予定日:
4月26日(土)18:30〜
5月31日(土)18:30〜
6月28日(土)18:30〜
7月19日(土)18:30〜
・入場無料/入退場自由(※1 drink order)
▶︎ヨガセッション 「Gallery yoga」
【 ヨガインストラクターでもある、Potluck Theaterの俳優、risakoによるオープンヨガセッション 】
・開催予定日:
4月27日(日)10:30〜11:30
5月6日(火)10:30〜11:30
6月1日(日)10:30〜11:30
7月6日(日)10:30〜11:30
・料金:2000円
・予約不要
・ギャラリーオープン:10時
※ヨガマットはレンタルがございますが、数に限りがございます。お持ちの方はご持参ください。
※4月27日は、セッション後、risakoインド記録のシェアリングをします。チャイとインドのお菓子付き。(ドネーション)
主催 認定NPO法人金沢アートグミ
問合せ
お手数ですが下記メールにてお問い合わせください。
Potluck Theater
po10lucktheater@gmail.com
展示&イベントカレンダー
イベントなどスケジュールを随時更新いたします!
金沢アートグミという場で演劇を作る人々が何をすべきか考えたとき、ヘソマガリな私はあえて公演を選びませんでした。この方針には、劇団員たちもすぐ納得してくれて、さすがに長く付き合ってきた仲間だなと感じました。私は劇作でもそうですが、白でも黒でもないその間に身を置き、そこで出会うものを大切にしています。
演劇には「残らない」という性質があります。どんなに素晴らしいパフォーマンスも、その瞬間が過ぎれば同じ形で再現することはできません。だからこそ観客も俳優もその瞬間に没頭できるのです。そして言うまでもなく、何も残らないというわけではありません。この「残らないけれど残る」という感覚こそが、演劇の本質を表しているのではないでしょうか。
この構造は演技にも見られます。戯曲の言葉は、たいてい観客の感情や議論を引き起こすために書かれたものですが、それだけでは単なる言葉に過ぎません。俳優は役柄を演じながらも、唯一無二の存在であり、今を生きる自分自身を捨てるわけではありません。観客の前に体をさらし、言葉と俳優が能動的な挑戦として交わる時、演技が生まれます。このとき、俳優は役柄でありつつ、同時に自分自身でもあるのです。このどちらか一方に偏らず、相反する要素が共鳴し合い、互いに影響を与えながらも、どちらも欠けることがないという状態、その微妙な均衡が、演劇の場を生みます。そして「過去」に書かれた言葉を生きる俳優の身体は「今」にあり、その声や身体が観客に届くことで、新しい感情や思索が生まれ、「未来」へとつながります。演劇とは、過去と現在を繋ぎ、未来に向かって新しい語りを紡ぐことなのです。
私たちが生きる時代は、戦争や社会の不安定さといった現実と直面していますが、多くの人々が「世界はすでに出来上がっていて、自分たちはその中でどう生きるかを考えればいい」と思い込んでしまっているかもしれません。また、世界と自分とは無関係だと思いがちで、悩みや感情が自分だけのものだと感じてしまうこともあるでしょう。しかし、演劇はそのような孤立を打破し、私たちが互いにどう繋がり、どう生きるべきかを考える場でもあります。そのような問いを突きつけるのが紀元前から行われてきた演劇の役割であり、使命でした。私は、選べるのなら、白でも黒でもない混沌の中で、答えのない問いを持ち続け、変化を求め続けようと思っています。私の演劇もこの世界も、今まさに作られているのです。(PotluckTheater代表/演出家)島貴之
